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ある夏の出来事 [物語(豊臣秀吉)]

※初めに、注意事項をお読みください。 ※この物語は、すべて作者の妄想でできております。 ※この物語は、公式の物語と一切関係ありません。 ※今回の怪談は、去年Twitterにあげた顕如と管理猫の漫談がもとになってます。怪談が苦手な方は、ご遠慮ください。 ※キャラの性格が、公式のイケメン戦国やあなたの妄想と違う場合があります。そういうのは受け付けないわ!という方は、このまま、回れ右をしてお帰りいただき、このブログのことを一切お忘れいただきますよう、お願いします。 以上のことがお守りいただける方のみ、この先にお進みください…。     それは、暑い夏の昼下がりのことだった…。  安土城の中に有る秀吉の部屋で、ケイがぐったりと仰向けに転がっている。その横では、部屋の主が心配そうに、扇子で彼女を仰いでいる。   「……秀吉ー、あっついニャー…」 「夏だからな、仕方がないだろう? ほら、仰いでやるから、もう少しこっちに来い」 「ん―――…。あにょね秀吉。お願いがあるにょ…」 「なんだ?ケイ。改まって…」 「これ、下ろして欲しいニャ…」 「…?」  そういって、背中を向けるケイ。そこには、小さな金属の板のようなものがあった。秀吉は、恐る恐るその板を言われた通りに下げる。すると、まるで着物を脱ぐようにするりと抜けるケイ。ふるふると体を震わせた後、嬉しそうに跳ねている。 「あー、すっきりしたニャ―。さて、水浴びして来るニャー」 「え?! あ、え?! これ、着物か?! あ、ケイ、待て!! そんなあられもない姿で歩くんじゃない!」  秀吉は、手元に残った彼女の毛皮?と本人を何度も見直し、慌ててそのあとを追いかけた………。            ◇◆◇◆◇◆◇ 「……ケイ…待て……はっ! 夢か…」  暑い自室で、いつの間にか眠っていたようだ。そういえば、近くでケイも寝ていたはず…と体を起こすと、彼女の悲鳴が外から聞こえた。  慌てて障子を開けると、首から下の毛がほとんど無いケイが、泣きながら駆け込んで来た。その後ろに、申し訳なさそうな顔をした光秀が立っていた。 「……すまない、ケイ。悪気はなかったんだ…」 「あるとか…ないとか…問題じゃ…無いニャ―!!」 「本当だぞ、光秀!何やったんだ!!」 「いや、ケイが暑そうに見えたんでな。少し毛を梳いて、涼しくしてやろうと思ってな。この前、佐助から貰った『ばりかん』とやらで梳いていたんだが、加減を間違えたようだ…」 「加減を間違えたって…。お前なぁ、ケイは猫だが、女の子なんだぞ! こんな姿にして…」 「…だから、家康に『毛生え薬』がないか、聞いてきてやろうと…」 「…そんなもの、あるわけないでしょ! あ~あ……」  騒ぎを聞きつけた家康も駆けつけて、ケイの切り傷に薬を塗っている。困り果てた秀吉は、茶猫の部屋へと赴き、事情を説明すると、彼女は一枚の服を持って彼の部屋に来た。 「ケイちゃん、大丈夫?」 「大丈夫じゃ…無いもん…。毛が生えるまで、どこもいかないニャ…」 「だ、だよね…。あ、これ、レインコートになるかなって思って作ったの。着てみて」 「……?」  差し出された桜色の服を着てみると、フードで頭からすっぽりと身を包み、毛が無い部分を綺麗に隠してくれた。見た目は、猫耳が付いたテルテル坊主のようだ。 「よかった、ぴったり!」 「本当だな、ケイ。よく似合っているよ」 「ありがとニャ、茶猫、秀吉」 「これなら、誰かにみられても平気だね。あ、これ、傷薬。治るまではちゃんと塗ること」 「お、家康、ありがとうな。ん、ちゃんと手当てするから、安心しろ」 「光秀さんは、これに懲りたらもう、軽はずみなことしないでくださいね」 「あぁ、もうしない。…多分、な」 「「多分…?」」 「二人がかりで凄むこともないだろう。今回のことは、本気で反省している」 「お前の反省している、は、信用ならねぇからな」 「……とりあえず、ケイの機嫌も治ったみたいだから、俺は帰ります。またね、ケイ、茶猫」  そういって、お菓子を食べてる二人に手を振って立ち去る家康を見送りながら、いつの間にかいなくなっていた光秀に腹を立てる秀吉であった…。 (終) 【久しぶりに書いたら、オチが落ち着きませんでした。ごめんなさい】
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