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武将戦隊 イケメンジャー プロローグ2 [三成子編] [(妄想)イケメンジャー]

※初めに、注意事項をお読みください。

※この物語は、すべて作者の妄想でできております。

※この物語は、公式の物語と一切関係ありません。
※公式のイケメンジャーが物足りない猫が、妄想していたイケメンジャーを書き起こしたものなので、公式のイケメンジャーとは全く関係ありません。

※キャラの性格及び性別が、公式のイケメン戦国やあなたの妄想と違う場合があります。そういうのは受け付けないわ!という方は、このまま、回れ右をしてお帰りいただき、このブログのことを一切お忘れいただきますよう、お願いします。

以上のことがお守りいただける方のみ、この先にお進みください…。  
  
 朝日が差し込む部屋で、三成子は小さくうめいて目を開けた。そこは、見慣れた自分の部屋。

(……連れ戻されたんだ…)

 柔らかなベッドから起き上がると、扉がノックされた。慌てて近くにあったシャツを羽織り、扉を開けて相手を見る。

「…光秀先生」
「お目覚めですか? 三成子副社長」
「もう、副社長ではありませんから」
「なら、『先生』というのもやめていただきたいのだが? 三成子ちゃん」
「……すみません、つい…」
「構わないよ、君が呼びやすいのならそれでいい。社長が、支度が済んだら食堂の方に来るように、とのことだから、急いだほうがいい」
「はい、わかりました…」

 光秀は、用件を伝えると軽く三成子の頭を撫でて、立ち去った。部屋に戻り着替えていると、左手の薬指に光る指輪が目に入った。それに触れながら、秀吉がくれたプロポーズが夢や幻ではないことを実感して、涙があふれた。

(泣いてる場合じゃない…)

 ごしごしと目をこすり、急いで身支度を整え、食堂へと向かった…。


             ◇◆◇◆◇◆◇◆◇

 食堂の大きな扉を開けると、朝食の準備が整えられていて、テーブルには信長が座っていた。メイドに促されつつ対面する席に座ると、彼が口を開いた。

「……ようやく戻ったか、家出娘」
「ただいま戻りました…。そもそも、兄上があんな企画を出さなければ、家出なんかしませんでしたが」
「ほう、離れている間に、嫌みの一つも言えるようになったか。いい相手を見つけたな」
「……!」
「俺がお前の行動を把握できていないとでも思ったのか?…ま、奴なら合格だ。我が社の利益にならん男なら、生木を裂くぐらいのことをしてでも別れさせたがな」

 そう言って、信長が三成子の前に出した写真に写っていたのは、秀吉だった。ほっとした顔をする三成子の左手を見つめ、彼が言った。

「しかし…、もっといいリングを贈らせるか。猿め、気の利かん奴だ」
「いいんです。……私には、もったいないくらいですから…」
「無欲だな。もう少し、アヅチカンパニーの社長の妹だという自覚を持ったらどうだ?」
「…孤児院にいた私を養女にするため、いろいろ手を尽くしてくださった兄上には、感謝してます。が、分不相応の贅沢、するつもりはありませんから」
「お前の才能は、あんなエロじじいにくれてやるほど、安くない。俺は、自分の利益のために動いただけだ。感謝される謂れはない」
「そんな、自分の父親を…」
「あいつを、父だと思ったことは一度もない。会社を私物化し、女に狂い、母を泣かせ、彼女が死ぬその瞬間まで苦しめ続けたあんな男など…。……話は変わるが、そろったようだな」
「…!」
「お前以外の、『秘宝コン・ペイトー』に選ばれた奴らのことだ。こちらも、『罪を背負いし者』をそろえた」
「まさか…」
「あぁ、昨夜お前をさらってきた奴も、その一人だ。ようやく、形が整ったな。あとは、お前がコン・ペイトーを探し出し、イケメンジャーとか言ったな、お前と佐助が作っていた組織は。我々が悪の組織となって迎え撃ってやろう。…無論、お前もこちらの幹部だがな」
「……え?」
「秀吉達に正体が知られたくないなら、さっさとコン・ペイトーを集め、奴等を元に戻し、条件を整えろ。分かったな」

 有無を言わさず、畳みかけるような信長の言葉に、ショックを受けながらもうなずくしかなかった。

                ◇◆◇◆◇◆

 朝食を済ませ、部屋に戻ろうとした三成子の前に、長身に眼帯を付けた蒼眼の男性が立ちはだかる。彼は、三成子を壁に押し付け、怯える彼女の両脇を両手でふさぎ、逃げられないように拘束しながらゆっくりと話し始めた。

「……やっと、天岩戸から出て来たか。三成子元副社長さんよ」
「……貴方は…確か、商品開発部部長の、伊達政宗さん…」
「へぇ、覚えていてくれたとは光栄だな」
「社員の名前と顔は、一応把握していますから」
「俺としては、男として見て欲しいんだがな。次期副社長候補、として」
「…申し訳ありませんが、すでに心に決めた人がいますので…」
「でも、まだ企画終了の報告は出ていないぜ? あんたを落として妻に迎えれば、副社長になれるっていう、社長直令のイベントだ」
「…それは…」
「……か弱い女性を脅して、恐喝で捕まりたいのか?」

 低い声で威嚇するように言いながら、二人のところに歩いてきたのは顕如だった。彼にひるんだ政宗の隙をついて、三成子は顕如の背に隠れる。政宗は、小さく舌打ちして顕如に言った。

「あんた、刑事だってな。で、あんたも彼女を狙ってるのかよ」
「…元、だ。あいにく、私は目的のためなら手段を選ばんような、野蛮な趣味はないんでね」
「どうだかな。条件の中に、社員でなければならない、とは、書いてなかったしな」
「会社の利益にもならん奴が…?」
「顕如さん! 勝手に動き回られては困ります! まだ、メンテナンスが終わってないのですから」

 無表情ながらも慌てた様子でかけてくる佐助。膝に手を当てて呼吸を整えると、政宗に言った。

「政宗さん、嫌がる女性に無理やり迫るなんて、貴方らしくないですね」
「嫌がるも何も、この三月あまり、一度も姿を見せなかった天照大神を見つけたんだ、口説いたって罰は当たんねーだろ。でも、いいぜ、今日は身を引いてもな。時間はたっぷりあるんだ。必ず、俺に乗り換えさせてやるからな」

 ひらひらと手を振って立ち去る政宗の姿が見えなくなると、佐助は二人を促して、自分の研究室へと連れて行く。大きなベッドに腰を下ろした、顕如の機械の両腕と生身の上半身に電極を張り付け、佐助が幾つかの機械を使い、真剣な眼差しで確認する。一通り見終わると、小さく息をついて言った。

「……大丈夫みたいですね。ようやく、コントロールできるようになってきたところなんですから、無茶しないで下さい」
「あぁ、わかっている」
「…こんなこと言った後でなんなのですが…。顕如さん、三成子元副社長のボディーガードになっていただけませんか?」
「佐助君?!」
「…佐助、どういうことだ?」
「さっき、政宗さんが言っていた企画、まだ、社長が終了宣言をしていないのは事実です。もし、三成子さんが副社長室から出てきていることが知れたら、彼のように野心を抱いている人が、何をするかわからない。政宗さんだって、隙あらば…と考えているはず…。だから、全ての秘宝が集め終わって、全てが終息するまで、彼女を守って欲しいのです。…無傷で、秀吉さんのもとに嫁げるように…」
「……分かった。私でよければ、力になろう。命を繋いでもらった恩もあるしな…」
「顕如さん…。ありがとうございます…」
「礼などいらん。…ま、こんなことがなくとも、引き受けていたがな…」

 嬉しそうに頭を下げる三成子の頭を優しく撫でた後、小さく苦笑いをして自分の両手を見つめる顕如。彼の両手にそっと触れながら、三成子は言った。

「…あの日、もっと早く拘束を解いて、爆弾を解除出来ていたら…。ううん、捕まったりしなければ、顕如さんは…」
「三成子ちゃん、それは違う。捕まっていたのが君ではなく、別な人だったとしても、私は救助に向かっていた。こうなる運命にあっただけだ、君のせいじゃない」
「……でも、私が顕如さんの運命を狂わせてしまったことに、変わりないんです…」
「……。君は、好きな人ができたのだろう?その、リングを贈った男だ。君はもう、その男と幸せになることだけを考えればいい。私のことなら、気にするな。なんとでも生きていける。……佐助のメンテナンスが、定期的に必要になるがな」
「…確かに、そうですね。俺としても、長年の夢が叶って嬉しいです。昔読んだ漫画を再現できるなんて…。顕如さんのおかげで明確にデータも取れるから、実用化に向けて色々と準備ができます。そうすれば、事故や事件で体を欠損した人達に、希望を届けることができる…」
「そうか…。私もまだ、誰かの役に立てるということか…」
「内臓の一部も人工のものに変えなくてはならなかったのと…、後頭部を強打した時の、脳の損傷で、味覚に障害が残って…」
「え…? そんな…」
「そうだ。だからもう、『あの場所』に戻ることはできない…。三成子ちゃんの気持ちはありがたいが、君は君自身の幸せを掴んでくれ」

 優しく微笑んで、彼女の髪をそっと撫でる顕如。三成子は、ずっと秘めていた願いを改めて胸に刻み付ける。話が落ち着いたのを確認すると、佐助が一枚の仮面を三成子に手渡しながら、説明を始めた。

「これは、三成子さんが偶然見つけた、コン・ペイトーから発せられる電波をもとに開発した、コン・ペイトー探索機です。こうして、目元につけて右目の下にあるこの羽をちょっと触れば、コン・ペイトーがある場所が光って見えます。顔が隠れるデザインにするように言ったのは、社長です。彼もまた、貴女のことを気遣っているのでしょうね…」
「そう……。それじゃ、私のことはこれから、『ミスティ』って呼んで。そして、一刻も早くコン・ペイトーを見つけて、『罪を背負いし者』を元に戻さなきゃ」
「そうですね。これから俺は、信玄さんとも連絡を密に取り、両方をうまく誘導します。…くれぐれも、正体がばれないようにしてくださいね」
「ありがとう、佐助くん。顕如さん、よろしくお願いします」
 
 顕如は黙ってうなずいて、優しく彼女を抱きしめる。


 こうして、『秘宝コン・ペイトー』をめぐる戦いの火蓋が、切って落とされたのであった……。


(本編に続く)


 



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