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時空を超えた猫 第四章 就職活動 [物語(ネタバレなし)]

※初めに、注意事項をお読みください。

※この物語は、すべて作者の妄想でできております。

※この物語は、公式の物語と一切関係ありません。

※キャラの性格が、公式のイケメン戦国やあなたの妄想と違う場合があります。そういうのは受け付けないわ!という方は、このまま、回れ右をしてお帰りいただき、このブログのことを一切お忘れいただきますよう、お願いします。

以上のことがお守りいただける方のみ、この先にお進みください…。 
 
 三成の怪我が完治し、公務に復帰することになったある日、光秀が彼の御殿を訪れた。

「三成、ちょっといいか?」
「あ、光秀様。どうかしましたか?」
「あぁ、ケイにちょっと、な」
「僕に、ですニャ?」
「今、大丈夫か?」
「大丈夫ですけど…、なんですニャ?」

 目を瞬かせているケイの目線に立って、光秀がいくつか質問を始めた。

「ケイ、この前見せてくれた火遁の術以外に、得意なことはあるか?」
「かとんのじゅつ? ですニャ? …あ、タル爆弾ですニャね。あとは、矢文や、地中移動が得意ですニャ」
「矢文に、土遁の術、か…。それではまず、矢文から見せてもらおうか。これを、政宗の御殿まで飛ばしてもらえないか?」
「分かりましたニャ。…えっと、政宗さんの屋敷は、この方角で…」

 言いながら、矢の先に預かった手紙を結んで、政宗の御殿の方角に向けて飛ばした。四半刻ほどすると、政宗が飛ばした手紙を持って飛んできた。

「光秀! 一体、何の真似だ? これは!」
「ほう、本当に届くんだな。すごいな。これなら、土遁の術も期待できそうだな」
「おい! 人の話を聞けよ」
「政宗様、すみません。何か、ケイに用があるみたいなので…」
「お、悪かったな、政宗。ここからだと、お前の御殿が一番試しやすかったからな」
「試しやすかったって…。何がだよ」

 むすっとしている政宗に、ひょうひょうとした顔で話す光秀。ケイの方に顔を向け、本題を切り出した。

「ケイ、三成が公務に戻ると暇になるだろう? 仕事を覚える気はないか?」
「仕事、ですニャ?」
「あぁ、君の腕があれば、斥候か間者になれるだろう。やってみる気はないか?」
「光秀様! それはあまりにも危険です!」
「三成、やる前からそれはないだろう?」
「いや、俺も反対だな。かなり危険な目にあうこともある。下手すりゃ、命の危険もな。そんなところに、こいつを放り込む訳いかねぇだろ」

 ケイを抱きしめて、不安そうな顔をする三成と、憮然とした顔で反対する政宗。三人を交互に見つめるケイと、少し困った顔をする光秀。

「困ったな…。彼女以上の逸材は、そうそういないんだが…」
「お前な、少しは考えろよ…?」
「あの…、僕、やってみたいですニャ」
「ケイ、お前、斥候っていうのがどういう仕事か、分かってるのか?」
「よくは分かりませんが、僕で役に立てることがあるなら、やりたいですニャ。それに、何もしないでここにいる訳、いきませんニャ…」
「…本人の許可は取れたな。三成、ケイの身に危険が及ぶような仕事はさせない。それだけは、この身にかけて誓う。俺に、彼女を預けてくれないか?」
「……ですが…」
「三成さん、大丈夫ですニャ。僕を信じてくださいニャ」
「ケイさん…。…分かりました。決して、危険なことはさせないでください。それだけは、約束してください」
「分かった。約束しよう」
「ケイさんも、危険だと思ったら、迷わず逃げてくださいね。約束、ですよ?」
「はいですニャ!」

 明るく返事をするケイの頭を優しく撫でる三成。まだ、不満気な顔をしている政宗と、満足気な光秀。そのままケイは、光秀に連れられて、彼の御殿へと向かった…。

                 ◇◇◇

 光秀の御殿に着くと、奥の部屋に通され、一人の家臣が呼び出された。

「九兵衛は、いるか?」
「お呼びでしょうか? 光秀様」
「…この子に、斥候の技を仕込んでやってくれないか? 筋はいいから、すぐに使い物になると思うんだが…」
「この子…ですか?」

 きょとん、として聞き返す九兵衛。無理もない、目の前にいるのはどう見ても、ちょっと大きめの猫、である。が、少し考えてから、あることに気がついて、声を上げた。

「光秀様、彼女が、三成様の窮地を救ったという、化け猫…もとい、めらるー、でしょうか?」
「あぁ、そうだ。三成も、明日から城に上がるからな。御殿に一人きりじゃ、彼女も暇だろうと思ってな」
「なるほど…。私は、九兵衛と申します。よろしくお願いします」
「ケイですニャ、よろしくお願いしますニャ」

 ぺこん、と頭を下げるケイと久兵衛。こうして、斥候修業が幕を開けるのであった…。

                   ◇◇◇

 最初に行った修業は、安土城の天井裏を探索すること。九兵衛の後を必死について行くケイ。台所の上に来ると、魚を焼くいい匂いが漂ってきた。

「…おいしそうニャ…」
「ケイ、よだれが出てるぞ」
「え?!…いけにゃい、いけニャい…」
「…その辺が、課題かな…」

 九兵衛がクスッと笑って言うと、恥ずかしそうに顔を背けるケイであった…。

               ◇◇◇

 その後も、土遁で各所に移動したり、人の顔を素早く覚える訓練など、必要な修行を終えたケイ。九兵衛も、あまりの筋の良さに驚いていた。

「…こんな短期間で全て覚えるなんて、光秀様の言う通り、筋がよかったんだな」
「いえ、師匠の教え方がよかったんですニャ。ありがとうございましたニャ」
「土遁の術の欠点は、海などの広い水場は渡れない、ということだな…」
「そうですニャね。地面が続いている場所なら、どこまででも移動できますニャ。これに関しては、僕自身も発見でしたニャ」
「…近く、依頼があるかもしれない。その時は、よろしく頼むな」
「はいニャ。こちらこそ、よろしくお願いしますニャ」

 固く握手を交わす師弟。こうして、ケイの斥候修業が終わり、初仕事が舞い込むのは、数日後のことであった…。

            (第五章に続く)


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